今年になって地上波はほとんど見ていないので詳しくは知らないが、
二次情報を確認する限り、かつてのハンカチ王子の報道が異常らしい。
プロでの実績なんてものは何一つもないのに、報道陣が400人も集まってフィーバーを演出しているとのこと。もちろんワイドショーも加熱しているらしい。
芸能人ならばともかく、どうにもプロスポーツの選手たるものが、プロとしての実績以前にチヤホヤされるというのは気味が悪くて仕方がない。まるで砂上の楼閣に浮かれる一発屋芸能人を見ているかのようだ。
それとも、ハンカチ氏は目立ちライトでも浴びたということなのだろうか?
目立ちライトはドラえもんののび太がスターみたいにチヤホヤされたいと願って、ドラえもんがお勧めしかねると言いながら出した道具である。(昭和55年ごろの話)
のび太はジャイアンやしずかなどの友人たちからはもちろん、道行く赤の他人にまで、いろいろと追いかけられ、質問をされるようになってしまった。
その質問の内容も酷いもので、どうしてそんなに馬鹿なのか等なのだから目も当てられないだろう。
そこに現れたのが以前知り合っていたアイドルの星野スミレだった。星野スミレの愛車に乗り込み、のび太は難を逃れる。スミレはスター故の悩みで、一人になりたい時は海辺に赴くのだが、今回はその途中にのび太を拾ったというわけだったのだ。追いかけ回される辛さを知るスミレには目立ちライトが効くこともなく、当然のび太に妙な質問をすることもなかった。
そのスミレがロケットを落としたのだが、拾い上げたのび太が見たのは、須羽満夫の少年時代の写真だった。須羽満夫とはパーマン1号のこと。パーマン1号は(昭和40年代パーマン最終話で)昭和43年頃にスーパー星に留学に行ったままであり、このドラえもんの中の話は、スミレが12年も満夫を待ち続けているということがわかるストーリーなのだ。一応言っておくと星野スミレはパーマン3号である。
すでに藤子・F・不二雄にとってパーマンというストーリーを再開させようという機運があがっていたのだろう。昭和58年〜昭和60年に再開されたのは周知の通り。そこにドラえもんのスミレの思いをフィードバックさせるかのように、ラブコメ要素が加わり、パーマンの魅力が増したというのは、また後日。
と、すでにハンカチ王子が目立ちライトを浴びた説から、かなり話が脱線してしまっている。まるで、最初からハンカチなぞ、全く持ってどうでも良いということがバレてしまいかねないが、一応結論を述べておこう。
目立ちライトを浴びてしまったハンカチ王子は不幸である。マスコミにとっては、この後、万が一成功すれば一時期の亀田や、現在進行形で成功例の石川遼のように大騒ぎを継続できるし、失敗したところで痛くもかゆくもない。一気に手のひらがえしで叩きまくるか、無かったことにするかを選ぶだけだ。
しかし当の乗せられたハンカチはどうだろう。マスコミの馬鹿騒ぎのせいでハードルは無駄に上げられてしまい、自身も何かしら感覚の狂いを生じさせてしまってはいやしまいか。騙されたと早合点するおかしなファンも発生しかねない。落ちぶれた元スターほど惨めなものはない。ハンカチが辿る道筋はマスコミのせいで無意味に厳しいものになってやしまいか。
目立ちライトなんてドラえもんの言うとおり、勧められる代物ではないのだ。スポーツ選手なら結果を出してスターの道を歩み始めるべきなのであって、何かを始めるまでにスター気取りになってしまってはならないのだ。すべては低俗にもほどがあるマスコミが悪いこととはいえ、気の毒な話というしかあるまい。
posted by アイナット at 22:29|
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