しかしながら、実は土星の衛星のタイタンだということを知ったのです。最近の探査機カッシーニによる情報をようやく整理できたような次第で。
なんでもタイタンには地球以外の天体で唯一液体の海や湖が確認されているというのです。液体といったも水ではなく、液化メタンということですが、窒素を中心とする大気もあり、海もあれば川もある。その他地形についても地球に似ている。
火星の表面には液体はないため、こうはいかないですし、金星も濃すぎる大気はあるものの、同様です。
窒素を中心とする大気が地球並にあるタイタンでは宇宙服無しでも人間は死なないとのことです。寒さをしのぎ、酸素ボンベさえしておけば良いというのだから、地球の多少深い海よりも快適なのは間違いないのでしょう。ただ油田近くのような臭気は立ちこめていると言います。ただメタンによる大爆発で火傷をする心配はないそうな。メタンが液状になるほどの冷たい世界なのです。
そしてメタンの海に生命が誕生している可能性を現在探っているそうです。古代地球と同じようなプロセスだが、水ではなく液体メタンだったらどうなのか? 生命の神秘を知る上で非常に興味深いところです。
ちなみに土星の衛星には他にも魅惑的なものがあって、エンケラドゥスは南極の間欠泉から水蒸気が常々吹き出しているそうな。しかもその水には塩分が含まれているといい、地下には液体の海水が蓄えられている可能性も示唆されているという。こちらは地球的な常識から考えられる生命を期待させる天体といえそうです。
地下の海という意味では木星の衛星エウロパにも地球外生命体の期待が持てる天体です。これらの木星や土星の衛星は40億年後、地球が太陽に飲み込まれた後に、配置的にも案外住みよい星になるのかもしれません。知的生命が生まれたとしたら40億年前の地球の電波を拾って驚愕したりするのでしょうか。宇宙の果てしない妄想はなかなか楽しい。