2012年02月13日

漫画版の「星を継ぐもの」

「星を継ぐもの」といえば先頃惜しくも無くなってしまったJ・P・ホーガンの代表作で、SFでありながらも本格ミステリであるという逸品だ。

我が読書記録にも簡単にだが、記録している。
星を継ぐもの(創元SF文庫/ジェイムズ・P・ホーガン/池央耿)

その漫画版が出ているというのは知っていた。藤子・F・不二雄全集の何かの本の月報で、この「星を継ぐもの」漫画化した漫画家の星野之宣が登場していて、そこで知ったような気がする。

星野之宣自体は知らない漫画家だったが、原作の好きさ加減、藤子・F・不二雄全集で知ったこと、更に星野という名字(HAHAHA)、これらの相乗効果の結果、1冊1200円以上という原作の創元SF文庫の二倍近い値段をも打ち破って購入と相成ったのだった。

前置きが長すぎるので、本文が書けなくなるといういつものこと。

原作については「月面に宇宙服を着た人類の死体が見つかり、それが5万年前のミイラ」という驚きの謎の提出で始まる。
地球史(古代生物〜クロマニヨン人に至る古代生物を含む)、SF(宇宙、惑星、異星人)、そして魅惑の謎(本格ミステリにおける論理性)といった私の琴線に触れる分野が勢揃いであり、小説としてもキャラクターが魅力的なので素晴らしいの一言なのだ。

さて、ではこの漫画版はどうかと言えば、まだ2巻までしか出ておらず完結はしていないが、端的に言えば部分的には素晴らしいと言える。

部分的に素晴らしい点
・原作が1970年代のため現在においては無理がある設定という欠点を、近年の自然科学(生物学や地球科学)分野の簡潔かつ丁寧な説明で納得できる形でカバーしていること。これがまた非常に興味深い考察結果になっている。
・古代生物や異星生物を特徴的を出した上で素晴らしく丁寧に描写していること。活字からは容易に得られない描写には感動すら覚える。
・ハント博士やダンチェッカー教授といったキャラクターを魅力を損なうことなく表現できていること。

部分的に悪い点
・本格ミステリのテイストを大きく損なっていること。
正直これは残念な点だ。まず「星を継ぐもの」だけではなく、その続編も混ぜ混ぜにしてしまった弊害という点が大きい。またスピーディな展開に力を入れすぎて、論理的思考の過程という重要な部分が大きく欠落してしまっているのも原因になっている。
やはりSF分野の漫画家だからというのもあるのだろうか。サスペンス風味はあるのだが・・・。

このように悪い点が出たのは、原作とは異なるプロットを取っていることが善し悪しを生み出してしまったことが原因とも言える。もっとも全体を通せば、現在の2巻までの時点では素晴らしい点の方が勝るだけに今後も楽しみにしたいところだ。

posted by アイナット at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

先週末のサッカー事情

土曜の夜はフジNEXTが無料だったので、ドイツブンデスリーガで首位を走る推進力となているドルトムントの香川のゲームを観たが、相変わらず驚かされっぱなし。何だあの世界屈指とも言える個人技によるゴールは! この香川、既に2年目のジンクスも全く感じさせるどころか成長を続けているわけだが、この調子が数年以上続くようなら素晴らしく良い意味で末恐ろしい。

若さという意味では香川より3歳以上若いのが19歳の宮市だ。アーセナルというイングランドプレミアリーグの名門から、同じプレミアの降格圏に落ちているボルトンにレンタル移籍したのだが、ついに後半スタートから途中出場を果たした。無料だったJスポーツ3の録画放送を見たが、残念ながらゴールも奪えずチームは敗退してしまった。ただそのスピードあふれるプレーは十二分に通用するもので興奮させられた。今後も楽しみな逸材だ。

日曜日の夜はスカチャンでインテルの試合。マイコンが出場停止にもかかわらず、前節の悲惨なパフォーマンスが影響してか長友はベンチスタートだった。代わりに出場したキブも最初は良いプレーをしていたが、徐々に調子を崩し、あげくチームとして低調のインテルも失点を喫してしまう。攻撃の形が全く単調なところ、後半残り20分くらいで長友が投入された。この日の長友自体の調子は上々だった。左サイドを縦横無尽に駆け上がり、その動きは結果的にペナルティエリア付近で相手を退場させる効果をも呼び込んだ。しかしいかんせん不調でかつ呪いにかかったかのように運もないインテルはまさかの敗北。正直今期のセリエAの戦いは非常に厳しいものとなってしまった。ラニエリ監督も更迭間際で、来週のチャンピオンズリーグ、マルセイユ戦にも不安が残りそうだ。いかに長友が良くても、チームがこの悲惨な状況ではいただけない。たぶんDFの選手はこのあたりが歯がゆいだろう。


今週からはチャンピオンズリーグの試合が平日夜中にあるため、寝る時間を確保するのが難しい楽しい悲鳴の日々になりそうだ。深夜2時〜4時の間だけは絶対に無理だな。とは思うが・・・。つまり怪我で出れないかもしれんが本田のCSKAモスクワのレアルマドリッド戦の試合を観るのが難しそうなのは残念。
posted by アイナット at 21:45| Comment(0) | TrackBack(0) | サッカー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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