2011年02月22日

コピーロボットによる身代わり人生

ええ、またパーマンネタですよ。

パーマン1号は原作最終回において、バード星へ留学のために旅立った。

須羽満夫の身代わりはコピーロボットだ。鼻を押したら元に戻るので身代わりは危険と思うかもしれないが、そこはバード星の技術があれば、鼻を押しても戻らなくなる道具がちゃんと登場している(パー子の羽衣伝説)。
そもそも鼻なんて打つなんて普通は一生のうち数度しかないのだから、ドタバタな原作やアニメのような展開はなかなか考えられないだろう。

バード星へは12年以上留学しているとされる。満夫は当時は11歳だから、つまり23歳までは帰ってきておらず、その間はすべてコピーロボットが人生を肩代わりしていたわけだ。

11歳からの12年間といえば、小学校卒業、中学校入学卒業、高校入学卒業、大学入学卒業、就職まですべて含められる。はっきりいえば、この時代を経験しないということは文明社会の人間としては極めて特異というしかない。

確かにコピーロボットとはおでこタッチによって記憶のロードをすることが可能なので、知識としては共有することが出来るのだが、そもそも実技経験など身体で覚えるたぐいのものはロードされることはない。よって、本当に記憶レベルのものにすぎないのだ。身体の記憶(経験)と頭の記憶は大きく違うため、果たして12年後に、23歳となった満夫が地球に帰還したときに、その後にまともに社会生活が送れるのかどうかは非常に不安と思わずにいられない。

しかも満夫の場合は、パーマン仲間以外の誰にも知られることなく、地球を12年間離れるという果てしない寂しさを感じることになる。
親兄弟、友達にとっては、コピーロボットが満夫本物と認識することになるため、夢にも本物の満夫(親にとっては実の子どもだ)が、実は宇宙に旅立っているとは思うことは絶対にないのだ。
当然、満夫が12年後に帰ってきた時に歓迎する者はいない。唯一、まだ活動している場合に限ってパーマン仲間と社会人になったコピーロボットだけが出迎えてくれるにすぎない。

この過酷すぎる運命を思うと、パーマンという作品の奥の深さをまた知ることになるだろう。
3号の星野スミレが待っていてくれていたのは、本当の意味で救いとなっているのだ。
posted by アイナット at 00:48| Comment(0) | TrackBack(0) | パーマン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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