本人たちが発言を謝罪し、撤回もしているのだから失言ということになっているのだろうが、
果たして問題視するような発言だっただろうか?
蒲郡市長は「(三陸海岸に)家が立っているほうがおかしい」と発言(中日新聞記事)し、
鉢呂経産大臣は「(福島第一原発周辺は)残念ながら、 周辺の町村の市街地は、人っ子一人いない、まさに死の町という形でした」と発言したことについてである。(産経新聞記事)
このような真実をストレートに伝える発言に対して、不謹慎だなどと封殺するばかりでは、今後に何の反省も生かされなかったり、現実を直視せず気持ちの良い嘘ばかり聞かされてるようなことになるのではないだろうか。
福島第一原発周辺は、チェルノブイリ基準でいえば、立ち入り禁止区域なのだ。本来ならば嘘をついて数年で回復するなどとは言ってはいけない地域であり、「死の町」という表現方法が適切かどうかはともかくとして、実態を表した発言だったは間違いない。長崎の軍艦島を例に出すまでもなく、人がいなくなった町の荒廃スピードは果てしない速さなのだ。
蒲郡市長の言葉もだが、確かに物言いがストレートに過ぎたのかもしれない。しかしこれであっさり謝罪してしまっては仕方がない。言い方をやんわりしたものに変更しつつ、言いたいことの趣旨は変えないという手法をとるべきだった。(一時しのぎで住人を喜ばせる発言をしたところで、結果的には双方とも恨み辛みを負うだけで良いことなど全くない)
その点、武田教授が「東北の農産物は健康を壊すので捨ててもらいたい」と発言し、一関市長とやりとりが行われた問題については、お互いのやりとりを通じて、発言が撤回されることもなければ、喧嘩別れになることもないにも関わらず、双方が一定の理解しあえるという結果になり、さすがというしかあるまい。(毎日新聞記事)
ちなみに蒲郡市の情報はこちら。
ただし鉢呂経産大臣については、47ニュースによると同時期に「放射能をうつしてやる」と発言しており、こちらの方が遙かに悪質な発言に思える。なぜなら嘘ではなく真実云々という次元ではなく、単なる傷つけることだけを目的にした小学生のような軽い発言だからだ。
だから本来ならばこちらの発言の趣旨が何なのかを追及すべきだろう。まるで説明できる内容ではないとは思うが。