自己顕示欲なのかもしれないですが、やはり夢でしょうね。その夢が叶いました。何か形に残るものが作れたというのは素晴らしい。しかも大好きな書物にです。永遠に残る可能性を秘めた書物にです。論創社には本当に感謝です
江戸川乱歩関連で過去に名前だけなら、いわゆるスペシャルサンクスのような形で、オランダの雑誌(英語)、フランスの雑誌(仏語)、日本の書物(日本語)に載ったことはありました。もう15年ほど前のお話。
またwindows用のフリーソフトを何本も作っていた時があって、そのときも3度くらいは「アイナット」の名前は載りました。これは8年前の話。
しかしそれらは名前だけで文章ではなかったから。
そうです。論創社の論創ミステリ叢書「甲賀三郎探偵小説選V」。16年前になりげなく始めた「甲賀三郎の世界」が結実したのです。収録した甲賀作品の中では探偵小説講話、水晶の角玉は推したのが初めの一歩となったと思う他は、他は特に私が選んだわけではありませんが、手塚物を中心にバランス良くなかなかの佳作、良作が揃ってます。(強く推した作品に「水晶の角玉」を追記 2017/04/06)
解題は、ももクロでアメリカ合衆国のNYへ行く前あたりの10月〜11月半ばあたりにほぼ初稿としては書いたものです。それを年明けの特に1月後半から2月頭付近に頑張って校正しました。そうももクロの現場を毎週末楽しみながら、日中は労働しながら、平日の夜には甲賀三郎タイムだったのです。
はじめて本が出来る過程に絡んで、本を作るのは大変なんだなと実感した次第でした。
いわゆる関係者特権というやつで、本当にありがたくも既に手元には頂いていますが、発売日の3/1に超大型書店に並ぶのが楽しみです。こういう楽しみを人生で得られる日が来るとは思いもしなかった。(とはいいつつ、実は戦前探偵小説ではありませんが、文庫本の解説を書くチャンスは14年ほど前にも1度ありましたが、それは当時の物理的多忙かつ精神状態的闇の中にあったため愚かにもお断りしたのです。そのことはまたどこかで書きますが、それだけに今回は喜びもひとしおなのです)
この甲賀三郎探偵小説選Vが甲賀三郎の再評価に繋がり、甲賀三郎の魅力の伝達の一助になれば、この上ない幸せなのです。
あまりに貴重すぎて新事実にも驚きと感動の甲賀三郎の次女の深草淑子さんのエッセイも収録し、間違いなく面白い「気早の惣太シリーズ」や戦時中の長編「ビルマの九官鳥」「朔風」などが収録された「甲賀三郎探偵小説選U」共々よろしくお願いします。(一時的な在庫切れでも、注文すれば手に入るとは思います。そう簡単には本当の品切れにはならないでしょう)